第七章



場面はまた、廊下へと切り替わる。

「っ、大丈夫か?」
「俺はいいんだよ……それより、お前」

自分の反応が遅れたお陰で、フォックスの左肩を銃弾が掠めてしまった。服には早くも鮮血が滲み、スピカは眉を顰める。

「平気さ……」

スピカを押し倒すような形で窮地を救っていたフォックスは、左肩の傷を押さえながらゆっくりと立ち上がって。利き腕側ではないとはいえ、撃たれたのでは分が悪い。

彼だって戦いたくはないはずだ。フォックスはちらりとスピカを横目に捉えて。

「おや。一人で戦いますか?」

ダークファルコはくるくると回しながら拳銃をホルスターに戻し、微笑。スピカを逃がそうという策を読まれ、口を噤む。

「勘違いすんなよ」

スピカは立ち上がりつつ、埃を払って。

「俺は逃げねえ」


――あんたらに生かされた命だ。尽きるまで存分に、全力で戦わせてもらう!
 
 
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