第七章



その時、ぴたりと足音が止んだ。

出方を窺っているのか。フォックスはスピカに目で合図を送り、それぞれ構えて。

――刹那、足音の犯人が靴音を響かせながら駆け出した。明かりの範囲に踏み込んだ犯人の正体はダークファルコ。

「くっ」

距離を詰められ、発砲を諦めて回し蹴り。

ダークファルコはひらりと躱して地面を強く蹴り、二人の頭上を華麗に舞いながらホルスターから二丁拳銃を取り出して。

「スピカ!」


銃声が二発、廊下に鳴り響く。


「――おい。今の」

リビング。ファルコははっと顔を上げて。

待機していた彼らの耳にも銃声が聞こえて、ピチカは恐怖と不安に頭を覆うように抱えて、体を震わせながら縮こまった。

そんな彼女の様子に見兼ねて、頭の上にぽんと手を乗せてやったのは。

「……ウルフ」
「てめえも戦士の端くれなら」

ウルフは鋭い眼差しで。

「何があっても構えとけ」
 
 
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