第七章
ふと、リビングの明かりが消えた。
びくんと同時に肩を跳ねさせ、身を寄せ合うスピカとピチカ。それまで笑っていたフォックスとファルコも立ち上がり、拳銃に手を添えながら辺りを見回す。
「……停電、か?」
「いや」
ウルフが顎で指し示した先を見てみると、リビングのすぐ外の廊下の電気が転々と消えていき。停電なら、有り得ない光景だ。
ならば誰かが故意にリビングの電気を消したに違いない。フォックスはホルスターから銃を取り出すと、ファルコを見遣り。
「お前はここに残っていてくれ」
ファルコは納得し、ソファーに腰を下ろして足を組みながら舌打ち。彼は鳥目なので、暗闇では圧倒的に不利なのだ。
「ローナ。援護を頼む」
「はいはーい」
こんな状況でもローナはいつも通りで、元気よく手を挙げてはフォックスの元へ。
そして、フォックスは。
「スピカ」
彼にも声をかけた。