第七章
稲妻を纏った右足による蹴りは、悲しくも空を切って。体を軽く反らし、一撃を軽く躱したウルフは懐に飛び込んで。
何か仕掛けられる前に、とルーティは空中で体を捻り、左足に重心を乗せて回し蹴りの姿勢に。しかし、ウルフは左腕で防御すると、その隙に蹴り上げて。
「くっ……」
間一髪、首を後ろに反らすことで顎を掠める程度に至ったが、不意に左腕を外されるとルーティは体勢を崩してしまい。
すかさず、ウルフの回し蹴りが飛んでくる。攻撃は脇腹に入り、ルーティは勢いよく地面に叩き落とされ、転がって。
「か、はっ」
素早く身を起こしたことが幸いして、ウルフの踵落としは右に飛び込むことで回避を許された。ルーティは地面に片手を付き、ふらりと立ち上がると駆け出して。
「はあっ!」
またも拳に稲妻を纏いながら殴りかかるも、身を屈むことで躱される。
次に左足の膝で打ち込もうと試みるが、右肘で打たれ、阻止される。そのまま、ウルフは拳を下から上へ突き上げるが、ルーティはこの攻撃を、顔を反らすことで回避。