第七章



「……認めるよ。僕が悪いんだって」
「ルー!」

スピカが思わず声を上げるが、銃口を突き付けられた状態では下手に動けず。

ベンゼルは笑って。

「驚いた。己の罪を素直に認めるとは」
「そうだよ。……だからこそ」

ルーティは目の色を変えて構える。

「その罪を背負ってでも、ベンゼル。お前を……全力で! 僕が、倒す!」

駆け出すルーティ。そういうことかとベンゼルをのんびり考えていたが、やがて短く息を吐き出すと指を鳴らして。

「面白い。だが、君の相手は“彼”だよ」

ルーティの前に立ちはだかる、ウルフ。

――やるしかない。もちろん戦いたくはなかったが、彼が操られている今、それはどうしようもなく、避けられない運命で。

「ウルフ……」

ぽつりとその名を口にする。

ルーティは右足に稲妻を纏うと左足で蹴り出し、低く飛び上がり蹴りかかりながら。

「痛かったら、ごめんね」
 
 
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