第七章



僕のせいで、皆が。

「違う!」

顔を俯かせるルーティを見て、スピカは逃れようともがきながら声を上げる。

「お前のせいじゃない! 皆、全力を尽くして……っその結果だったんだ!」

スピカは眉を顰めて。

「だから」
「リーダー」

フォックスが口を開く。

刹那、こめかみに添えられた銃口に、スピカははっと目を見開く。銃を構えながらフォックスは、小さく笑みを溢して。

「いけないッスよ。敵のリーダーさんの肩を持つような発言はさぁ……」
「おま、え」

スピカは尻目でフォックスを捉えて。

「まさか、裏切らないッスよね……?」

そう耳元で囁くフォックスの瞳には、確かに赤黒い光が宿っている。スピカは半開きの唇を震わせていたが、やがて、閉じて。

「いいこッスねぇ……さすがリーダー」

フォックスは満足げに呟き、銃を下ろす。

そこでようやくルーティは顔を上げると、再び、ベンゼルを睨み付けた。
 
 
9/59ページ
スキ