第七章
僕のせいで、皆が。
「違う!」
顔を俯かせるルーティを見て、スピカは逃れようともがきながら声を上げる。
「お前のせいじゃない! 皆、全力を尽くして……っその結果だったんだ!」
スピカは眉を顰めて。
「だから」
「リーダー」
フォックスが口を開く。
刹那、こめかみに添えられた銃口に、スピカははっと目を見開く。銃を構えながらフォックスは、小さく笑みを溢して。
「いけないッスよ。敵のリーダーさんの肩を持つような発言はさぁ……」
「おま、え」
スピカは尻目でフォックスを捉えて。
「まさか、裏切らないッスよね……?」
そう耳元で囁くフォックスの瞳には、確かに赤黒い光が宿っている。スピカは半開きの唇を震わせていたが、やがて、閉じて。
「いいこッスねぇ……さすがリーダー」
フォックスは満足げに呟き、銃を下ろす。
そこでようやくルーティは顔を上げると、再び、ベンゼルを睨み付けた。