第七章
ルーティは暫し、口を閉ざして。
「君は……彼らなら大丈夫だと信じて此処を後にし、すぐに戻ろうとはしなかった」
「それはっ!」
「誰かに責任を押し付けるか? 人間よ」
言い返そうと口を開くも、ベンゼルの言葉にルーティはぐっと拳を握り、再び口を閉ざす。ベンゼルはふっと笑みを溢して。
「だけれど彼らは、そうではなかった」
ベンゼルは両手を広げながら、
「大丈夫、などではなかったのだよ。事実、彼らは我々に敗北し、その身を捧げた」
勝手な解釈を。
捧げた? X部隊メンバーの体をダークシャドウに与えたのは、ベンゼルなのに。
「君は大丈夫だと判断した。しかし、そうではなかった……正解を見誤ったのは他でもなく、君なのだよ。ルーティ」
ベンゼルは目を細めて。
「分かるかい?」
違う。聞くな。そんなのはでたらめだ。
「ルーティ。君の勝手な判断が」
ベンゼルは口角を吊り上げて。
「彼らを悪夢へと導いたのさ」