第七章
「っ……ウル、フ」
跳ね返された電気の塊はルーティのすぐ隣を横切り、壁に突撃。砂埃が背中から吹き抜け、ルーティは軽く咳き込んで。
顔を上げると、ポポとナナが揃って此方に駆け出してきて。二人同時に飛び上がり、ルーティ目掛けハンマーを振り下ろす。
ルーティが後方に退いて躱すと、今度は両側から挟むようにマルスとロイが剣を構え、襲ってきて。地面を蹴っては高く飛び上がり、双方の一太刀を寸前で躱す。
「はぁい。お待たせ」
目の前に現れたのは、真っ白な翼を広げたピット。しかし、それとは対照的に影の差した黒い笑みを浮かべると。
「堕ちちゃえ」
身の毛も弥立つような冷たい声音ではっきりそう口にし、目を開いたまま固まるルーティに、容赦なく峰打ちをお見舞いする。
「がっ」
痛みに苦痛の表情を浮かべると、ピットはにやり。翼を羽ばたかせ、その場を退いたピットの後ろから現れたのは。
「っ、あ」
不気味な笑みを浮かべる、ウルフ――