第一章
目を見開き、頭を抱えて天を仰ぎながら。
「やめてくれええっ……!」
パンッ
銃声が鳴り響いた。
次の瞬間、スピカが顔を上げると目の前にはダークウルフがいて。何が起こったか分からず、スピカは困惑した表情で。
「あ……っ……あぁ……」
「落ち着いて、リーダー。大丈夫です」
未だに体を震わせているスピカを優しく抱き締めて、囁きかける。よく見れば、剣で刺された痕はなく、衣類も血に塗れておらず綺麗だ。スピカはますます困惑して。
「え……っ」
ダークウルフのすぐ後ろでは、ダークフォックスとダークリンクが両手を突き出し、黒いバリアを張り巡らせて赤黒い光の玉の侵入を防いでいる。
これはどういうことなのか。とりあえず深呼吸を繰り返し、少し落ち着いたところでスピカの疑問は解消される。