第七章
◆第七章『絶望に堕ちる』
「ルーティ……」
「ウルフ!」
よかった。ちゃんと無事だったんだ。
振り向いたウルフの元へ急いで駆け寄り、ルーティは勢いよく胸に飛び込む。
「ただいまっ……」
しっかり抱き止めてくれている。
擦り寄るルーティにウルフは小さく笑みを溢し、優しく髪を撫でながら。
「ああ。お帰り」
――どくん。
ルーティははっと目を開き、ゆっくりと顔を上げる。少しずつ後退りしながら、微笑を浮かべているウルフを見据えて。
「どうしたんだよ。ルーティ」
違う。ウルフじゃない。
「ルー!」
聞き覚えのある声に、ルーティは振り返って。――そこには何故か、フォックスに捕らえられているスピカの姿が。
「俺っ……、ルー! 俺!」
辛そうに顔を歪ませている。
その時初めて、ここには先程行動を共にしていた四人以外の、X部隊メンバー全員が集結していることに気付いて。