第六章
「何だか落ち着かないみたい」
「あ……」
その時、ルーティの瞳が不安げに揺れた。
「……う、ん」
正面に向き直り、俯く。残らず照明が落ちてることに不安を煽られているのだと気付いて、リムは優しく微笑みながら。
「大丈夫よ。彼らなら」
パキッ
ルーティのブーツが何かを踏んだ。
思わず立ち止まり、目を凝らす。落ちていたのは硝子の破片で、ルーティはゆっくりと顔を上げる。――そこは。
元々、照明があった場所。
「ルーティ!?」
不安が募る。心臓が爆発しそうだ。
突然駆け出すルーティに、リムは思わず名前を呼んで。何がどうしたと顔を見合わせる四人に、クレイジーは目を細める。
「やっぱり」
ぽつり、と呟いて。
「間に合わなかったみたいだよ。兄さん」