第六章
クレイジーは体を傾けると、ルーティより前に出てきて。訳も分からないまま、ルーティはクレイジーの服の裾を掴む。
「あだっ」
「何処でもいいんだろう」
クレイジーの髪を掴んだのはユウである。
「何っ、良いのかっ!?」
ぱあっと顔を明るくして、クレイジーの左足の太股付近に抱き着いたのはリオン。
「……愉快だね」
呆れたように溜め息を吐き出し、クレイジーは左手を真下へと伸ばして。直後、左手首を掴んだのはネロである。
「まだいたんだ」
「後一人! 掴まれっ、リム!」
ネロが振り返るも、
「掴まる場所無いわよぉ!」
リムは焦ったように声を上げる。
ネロは舌打ち、ぐっと手を伸ばしてリムの手を掴んで。引き寄せながら、
「このパターンも有りか?」
クレイジーはふっと笑みを溢す。
「いや。……寧ろそっちが正解」