第六章



「ずっと存じ上げておりました。この世界を創造したのは他ならぬ、貴方なのだと」

ベンゼルは少し、顔を上げて。

「ですが、マスターハンド。この世界。彼の青い惑星に造りが似ているのは……」

刹那、ベンゼルを先の尖った瓦礫が正面から襲った。その場から退かず、ただ顔を傾けて直撃は躱したが、頬が切れて。

伝う、一筋の赤い雫を横目に、ベンゼルはにやりと笑う。攻撃を仕掛けたのは、

「あんた、五月蝿いよ」

クレイジーだった。

左手を地面に付くことによって魔力を送り込み、今の攻撃を仕掛けたのだろう。

「これはこれは、造弟クレイジーハンド。兄様の悪口は聞き捨てならないか」
「黙れ!」

クレイジーが語気を強めると、ベンゼルの真下から沢山の瓦礫が突き出てきて。

呆気なく貫通、かと思いきや。
 
 
33/54ページ
スキ