第六章
「ずっと存じ上げておりました。この世界を創造したのは他ならぬ、貴方なのだと」
ベンゼルは少し、顔を上げて。
「ですが、マスターハンド。この世界。彼の青い惑星に造りが似ているのは……」
刹那、ベンゼルを先の尖った瓦礫が正面から襲った。その場から退かず、ただ顔を傾けて直撃は躱したが、頬が切れて。
伝う、一筋の赤い雫を横目に、ベンゼルはにやりと笑う。攻撃を仕掛けたのは、
「あんた、五月蝿いよ」
クレイジーだった。
左手を地面に付くことによって魔力を送り込み、今の攻撃を仕掛けたのだろう。
「これはこれは、造弟クレイジーハンド。兄様の悪口は聞き捨てならないか」
「黙れ!」
クレイジーが語気を強めると、ベンゼルの真下から沢山の瓦礫が突き出てきて。
呆気なく貫通、かと思いきや。