第一章



「っ何を」

ダークミュウツーがダークファルコを拘束している間に、ダークルカリオはダークファルコの正面に立つと首に腕を回して。

何をするのかと目を見張っていると、ダークルカリオは耳元に唇を寄せ、囁くのだ。

「肉を引き裂く音。狂おしい悲鳴。素敵なハーモニーだと思わないか? なあ」

耳たぶを唇で挟み、そして。

「答えろよ」

ぎり、と鋭い八重歯を突き立てて噛みつく。皮膚が裂け、滲む鮮血をうっとりと目を細めては堪能しながら、強く耳たぶに噛みついたまま、勢いよく頭を引く。


ぶちっ


「ああぁああ……っ!」

悲痛な叫び声が廊下に鳴り響く。

しかし、ダークルカリオはくすくすと笑いながら引き千切った耳たぶを吐き捨てると、人差し指と中指をダークファルコの左目の瞼に添えて。恐怖と痛みで、声が。

出ない――
 
 
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