第六章
リムは手を止め、モニターを見上げる。
「調べ事。ロックも掛かってないみたいだし、ご自由にどうぞってことでしょ?」
そういう意味じゃないだろ、なんて内心突っ込みながらネロもモニターを見上げて。
モニターには現在、研究施設の内部の映像が幾つか映し出されてる。これは恐らく、監視カメラによる映像だろう。
「ダークシャドウは此処で造り出され、育成されてきたのね」
高性能な監視システム。そして、この研究施設。リムは一旦振り返り、バリアを見つめる。――あの場所でダークシャドウは。
神が望むがままに刃を振るい、鮮血を浴びて。虚ろな常闇に投げ出された。
「物好きだな。あいつらも」
ネロも釣られて振り返って見ていたが、リムよりも早く再びモニターに目を向けて。
「……あれ」
ふと、ネロは声を洩らした。
モニターに映し出された、左下の映像が黒塗りになっている。初めは研究施設の入り口を映していたような気がするが……