第六章
その頃、バリアの外側では。
「……駄目だ」
「対策はしているというわけか」
ユウはそれまで、瞳に金色の光を宿して超能力によるルーティの援護を試みていたが、諦めたのか瞳は元の紫色に戻って。
リオンはバリアを前に腕を組み、短く息を吐き出す。――確かに、ルーティは強い。
それでも、相手は神二人。それに、ルーティの身体能力を引き上げている体内の電気が、いつまで保つのかも定かではない。
「ルーティ殿は、大丈夫だろうか」
最初は戦う姿にはしゃいでいたリオンだったが、さすがに心配になってきたらしく。
「貴様が気にすることじゃない」
ユウはバリアの向こう側を見据えて。
「あれは、私達のリーダーだ」
その言葉に、リオンは安心したかのように微笑を浮かべる。バリアの向こう側で繰り広げられる激闘を、ただじっと見守って。
その頃、リムはモニターの前に立ってキーボードを操作していた。気付いたネロが歩み寄り、後ろから覗き込む。
「よぉ。……お前、何してんだ?」