第一章
「やれやれ。部下の躾がなってないんじゃないですか? リーダー」
「まさか」
そんなやり取りをしていたその時、スピカはゆっくりと歩み寄ってくるダークルカリオの唇が動いているのが見えた。
何かを口吟んでいる。これは……歌?
「来ます!」
ダークミュウツーとダークルカリオは同時に駆け出してきていた。ダークファルコの合図でスピカは飛び退き、とにかく醒ませなければと構えては踏み出して。
しかし、またも何者かによってスピカの手首は掴まれ、連れられるがままに走り出す。スピカはダークファルコを振り返り。
「行ってください!」
気付いたダークファルコは声を上げて。
ダークミュウツーの回し蹴りを飛び上がっては躱し、詰め寄ってきたダークルカリオの顔側面に蹴りかかる。
――しかし、ダークルカリオは即座に腕で防御をすると押し返し、空中でバランスが崩れたダークファルコを、すかさずダークミュウツーが受け止めて羽交い締め。