第六章
「勝負をしようか」
その言葉に、ルーティは顔を上げて。
「俺とクレイジーを倒すことが出来たら、その時はホーリィスコアを造ってやろう」
ルーティは確かめるように。
「……もし、負けたら」
マスターは口元に笑みを浮かべて。
「負ける予定があるのか?」
「それはっ」
「違う? なら聞く必要はない」
上手く言い包められてしまった。
――負けてしまえば世界を救えないということは、百も承知だ。見方を変えれば、これは彼らなりの試練ということか。
「何の為に?」
「誰の為に?」
「戦う理由が」
「守る理由が」
マスターとクレイジーは交互に話しながら、繋いでいた手をゆっくりと離す。
「あるというのなら」
声を揃え、ルーティを見据える。
「創造の神、マスター」
「破壊の神、クレイジー」
二人はそれぞれ赤と青の光を瞳に宿して。
「我ら万能の神の力」
「打ち破ることが出来るかな?」