第六章



「何のつもりだっ!」

突然阻まれ、ネロは赤紫色のバリアを拳で叩く。続いて体当たりを仕掛けてみるも、割れる気配は見られずネロは舌打ち。

「くっ」

炎を放つべく、腕を伸ばすが。

「無駄だ」

ユウは赤紫色のバリアに片手でそっと触れて。普通とは異なる特殊なものだと見抜いているのか、攻撃は加えず。

だからといって、一緒に中にいるルーティがどうでもいいわけではないのだ。

「どうするつもりだろうな」

リオンはユウの隣に並び、バリアの向こう側にいるルーティを見つめた。ユウは腕を組むと、バリアに背中を預けて。

「神のみぞ知る、か……」


一方、ルーティは肩を並べて立つマスターとクレイジーを黙って見据えていた。

――どう仕掛けてくるのか。彼らは神でも異端なのだから、こうなるかもしれないと予想はしていたが……はてさて。

何をお考えなのやら。
 
 
18/54ページ
スキ