第六章
「何のつもりだっ!」
突然阻まれ、ネロは赤紫色のバリアを拳で叩く。続いて体当たりを仕掛けてみるも、割れる気配は見られずネロは舌打ち。
「くっ」
炎を放つべく、腕を伸ばすが。
「無駄だ」
ユウは赤紫色のバリアに片手でそっと触れて。普通とは異なる特殊なものだと見抜いているのか、攻撃は加えず。
だからといって、一緒に中にいるルーティがどうでもいいわけではないのだ。
「どうするつもりだろうな」
リオンはユウの隣に並び、バリアの向こう側にいるルーティを見つめた。ユウは腕を組むと、バリアに背中を預けて。
「神のみぞ知る、か……」
一方、ルーティは肩を並べて立つマスターとクレイジーを黙って見据えていた。
――どう仕掛けてくるのか。彼らは神でも異端なのだから、こうなるかもしれないと予想はしていたが……はてさて。
何をお考えなのやら。