第六章
「奴の目的は人間を陥れて悪夢に縛り付け、世界を支配することにより得られる優越感。その為の手段として触れたのが」
リムは言葉を紡ぐようにして、口を開く。
「ダークスコア……」
マスターはカチャカチャと音を鳴らしてはキーボードを叩き、モニターを見上げた。
映し出されたのは一枚の楽譜だ。ただ、この楽譜はよく見かける白い楽譜とは違って黒く、対照的に五線譜や音符は白い。
同じだ。ルーティとリムは思わず、顔を見合わせて。――やっぱり、図書館で見つけたあの楽譜はダークスコアだったんだ。
「見覚えでもあるのかなぁ?」
顔を見合わせるルーティとリムを見て、からかうように訊ねるのはクレイジー。
ここで認めてしまえば、ああだこうだと責め立ててくるに違いない。ルーティもリムも応えず、お互いに顔を背けて。
「……ちっ」
諦めたのか、クレイジーは舌打ちをして二人から離れると、マスターの隣へ。