第六章



「来たようだな」

その青年、マスターも白衣を着ていた。

振り向いて初めにルーティを視界に捉え、続いてユウに背負われて眠りこけるタブーを見つめる。マスターは目を細めて。

「まずは、タブーを返してもらおう」
「いいえ」

リムはじっとマスターを睨んで。

「交換条件よ」
「っ調子に」
「知ってるでしょう?……私達の目的」

クレイジーは眉を顰めて振り向いたが、リムが言葉を続けると目を開いて。

「……はっ。情けないね」

クレイジーは嘲るように笑うと、腰に左手を当てては見下げた態度で小首を傾げる。

「文字通り、神頼みってヤツぅ?」

――悔しいがその通りだ。マスターは目を逸らすようにしてモニターを見つめた。

モニターに何が表示されているかまでは分からなかったが、マスターは右手でキーボードを叩くと、再び振り向いて。

「来い」
 
 
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