第六章
「ドンキー殿のくだらないギャグも、それに対するマリオ殿の突っ込みも。ディディー殿の我が儘や、カービィ殿の意地悪……ルーティ殿の仕事中の居眠りだって」
うっ、とルーティは言葉を詰まらせて。
「だってリーダーは大変だし」
「リンクが知ったら何て言うかしら」
「りっリム!」
くすくすと笑うリムに、焦るルーティ。ユウもネロも、口元に笑みを浮かべている。
「そうしたことで生まれる、笑顔も」
リオンは話を続けた。
「全部、守りたい“今”なんだ。取り消せない過去やどうにもならない未来を恐れたとしても、私達には掛け替えのない“今”を守る義務がある……それが」
リオンは胸に手を置いて。
「私を呼び覚ました、戦士の誇りだ」
――そうだよね。
大切なことを忘れていた。過去を乗り越え、未来の為に在る“今”を守ること。
父さんが守り抜いた、大好きな世界を――