第六章



「なんだなんだっ?」

リオン、ぱあっと顔を明るくさせて。

「ブラックからホワイト、はたまた桃色ピンクの話題まで幅広く歓迎するぞっ!」
「通常運転だな」
「そんなに話せるのが嬉しいのかよ」

ルーティの手をがっちりと掴み、きらきらと瞳を輝かせるリオンにユウとネロは口々に突っ込み。ルーティは苦笑を浮かべ、

「あんまりいい話題じゃないけど……」

ルーティはさりげなく手を離して。


「悪夢って、さ。どんな感じだった?」


思い出したくはないはずだ。それでも、そこで何を見せられたのか気になる。

ルーティは自分から言い出したというのに途端に気まずくなって、先を歩き始めた。

暫く、靴音だけが響いて。

「……そうだな」

リオンが口を開いたのは、それから五分かそこいらの時間が経ってからである。
 
 
3/54ページ
スキ