第一章
「てめえら! 守りを固めろ!」
すかさずスピカの前に飛び出し、構えたのはダークウルフ。続いてダークフォックス、ダークリンクが両側に並び、構えて。
「リーダーをお守りするんだ!」
ダークウルフはそう声を上げながら、両手を前に突き出して目の前に黒いバリアを張り巡らせる。ダークフォックスとダークリンクも、同じく両手を前に突き出して。
スピカは呆然と突っ立っていた。しかしその時、スピカは何者かに腕を掴まれ、引っ張られるがままに走り出して。
「なっ」
「今の内に、出来るだけ遠くへ」
その犯人はダークファルコだった。
スピカは不安げに振り返る。赤黒い光の玉は、あの三人の防壁により塞き止められているが、時間の問題だろう。
あの赤黒い光の玉が体の中に入ると、良くない何かが起こることは確か。スピカは前に向き直り、ひたすら無事を願った。