第五章
「まあまあ」
「よせ。大人気ない」
苦笑気味に宥めるルーティと、呆れて小さく溜め息を洩らし、腕を組むユウ。
「もう」
リムはネロを解放し、そっぽを向いて。
「ったく……」
ネロはこめかみを擦りながら辺りを見回して。――全体的に薄暗く、空に太陽はない。紫色の空が、何処までも広がっている。
地面はあるようだが、薄い赤紫色の霧が地面を覆っている。本当に、ここが……
「亜空間だよ」
代わりに、ルーティが答えた。
そういえば以前、彼はマリオとリンクを連れて此処に来ていたのだった……彼がそう言い切るということは、間違いない。
此処が神々の住み処。裏世界、亜空間――
「タブー殿!」
唐突に声を上げたのはリオンである。
見れば、地面に倒れてしまったタブーをリオンが抱き起こし、揺すっていて。