第五章
直後、すれ違ったかと思えばリンクの背後に回り込み、左手の甲に右手を添え、背中に翳す。青白い光が、玉となり弾けた。
「ぐあっ!」
リンクの体は数メートル飛んで本棚に突っ込み、砂埃が巻き上がって。刹那、連続して飛んできた赤色の光線をひらりひらりと躱し、バク転しつつユウの傍らへ。
「余計なことを」
「ん。仕置きか? 萌えるな、それは!」
睨み付けるユウにちゃっかりハートを飛ばすリオンだったが、ゲムヲとロボットが駆け出すのが見えると踏み出し、構えて。
――凄い。まさか、悪夢をものともしないなんて。ルーティは感心しながら、隣に現れたタブーを見遣った。
準備は整っている。このまま戦っているより、さっさと退散した方が良さげだ。
「ユウ! リオン!」
ルーティが呼びかけるとユウとリオンは目と目で合図を交わし、頷いて後退。