第五章
「面白いことを言う」
ユウはふんと鼻を鳴らして。
こんな時に、しかもパートナーが悪夢に侵されている時に……面白い、なんて。
「何言ってんだよ……!」
「お前もだ」
ユウはネロを横目に、
「何故、分かったような口を利く」
しん、と辺りは静まり返って。
「“見捨てたように見えた”なら仕方ない。……が、“見捨てたようにしか見えない”というのならば、それは勘違いだ」
鋭く睨み付けるリンク。
「こいつは悪夢に囚われたんだよ! それも、あんたらが見捨てたから!」
「どうして決め付ける」
リンクは少し、たじろいで。
「見捨てたから悪夢に囚われ、二度と戻らないと。そんなのは貴様らの都合だ」
「でも現に!」
「嘗めてくれるな」
ユウは冷たい瞳でリンクを捉えて。
「そいつは、私のパートナーだ」