第五章



リムの掛け声により、ルーティは咄嗟に耳を塞いだ。直後、リンクは静かにオカリナを吹き鳴らす。……音は聞こえない。

が、暫くして近くにいたネロがその場に跪いた。どうやら、そのメロディを耳にする前に攻撃しようという魂胆だったらしい。


――うるさい。


そう口を動かしたタブーはルーティ達より前に踏み出すと、あの極彩色の翼を広げて、リンクを真っ直ぐに見つめた。

途端に止む音に、ルーティは恐る恐る耳から手を離す。――タブーが透明なバリアを張り、音をシャットアウトしたらしい。

「っは……」
「少しは状況を考えろ」

息を吐き出し、その場に四つん這いになるネロをユウは静かに叱り付けて。

しかし、ネロはユウを睨み上げると。

「んなこと、言ってらんねーだろ……!」

――そう言った視線の先には。
 
 
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