第一章



「いやぁあああああ!」

その叫び声は廊下に響き渡り、それまで部屋の中にいたダークシャドウは顔を出し、廊下を歩いてきていた何人かも立ち止まった。ダークピチューは後退りながら。

「……ぁ」

その時、視界に入ったのはダークシャドウのリーダーを勤めるスピカ。

――まずい! 赤黒い光の玉が自分のすぐ後ろにまで迫ってきていたことにも気付かず、ダークピチューは精一杯の大声で。

「皆ぁ! 逃げてえええ!」

そして赤黒い光の玉はダークピチューの体に吸い込まれ、先程のダークプリンと同様にどくんと大きく心臓が鼓動し、ダークピチューは目を見開き、天を仰ぐ。

異様な光景を目の当たりにして、スピカは足が竦んでしまっていた。すると、幾つもの赤黒い光の玉がスピカを襲って――
 
 
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