第五章
「リム!」
これはルーティの呼び声だ。
直後、側面からゲムヲを拳で殴りつけたのはリムである。死角だった為か受け身が取れず、数メートル飛んで本棚に激突。
それにより舞い上がった埃が視界を遮り、ユウは腕で小鼻を覆いつつ素早く後退。
リンクはそのまま地面に着地するもユウの姿が見当たらず。そこで死角からルーティによる、青い稲妻が襲いかかる。
「っあぁあ!」
命中。すぐに埃は晴れて、リンクは剣を床に突き刺し、すがるように柄を握ったまま跪いていた。にやり、と笑って。
「っ……仲間、相手に……おもしれぇこと、してくれるじゃねーか……」
急所は外した。そのお陰かリンクもふらふらと立ち上がり、剣を抜く。
次の攻撃を仕掛けるべく、ルーティは威嚇の意味も兼ねて体の表面に電気を走らせるが、本当のところ、戦っている暇はない。