第五章



突き出したその手で、ネロはぱちんっと指を鳴らす。すると、ネロの足下から熱風が巻き起こり、黒煙を吹き飛ばして。

「こいつなら問題ないだろ」

ユウはふんと鼻を鳴らすと、

「そういった芸が出来るなら早く言え」
「ったく。俺はサーカスの面接に来たわけじゃねーんだぞ。……で。あれか」

黒煙が晴れるとそこには、ロボットとゲムヲが立っていて。しかしその瞳には赤黒い光が宿り、殺気を放っている。

奥ではダークフォックスとリオンが戦っている……その時、タブーがぽつりと。

「くるよ」

刹那、駆け出すロボットとゲムヲ。

小さく舌打ちをして、ネロはロボットが攻撃を仕掛ける直前で回し蹴り。しかしロボットはひらりと躱し、懐に潜り込む。

「くっ」

拳を力強く振り上げて攻撃を仕掛けるロボット。ネロは間一髪、顎を反らして躱す。
 
 
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