第五章
「っ……銃声」
黒煙の向こう側から聞こえてきた乾いた音に、ルーティは思わず眉を顰める。
「案ずるな。あれは私のパートナーだ」
ユウは心配する様子もなく、黒煙に背中を向けて。――次の瞬間、赤色の光線が黒煙の中からユウ目掛けて放たれた。
しかしその時、ユウは背中を向けていたにも関わらず、超能力で後ろに透明なバリアを張り、その光線に攻撃を防いで。
「……新手か」
再び、赤色の光線がユウを襲う。
ユウが振り向き際に片腕を薙ぎ払うと、赤色の光線は直前で左右に逸れて。
しかし、攻撃で返そうにも方向が分からない。そこで舌打ちして前に出たネロ、何をするつもりか片手を前に突き出して。
「ネロ!」
「るっせえ! 黙って見てろ!」
炎を放つつもりだろうか。
不安が募り、名を呼ぶリムに思わず声を荒げて、ネロは黒煙を睨み付ける。