第一章
ダークトゥーンはおもむろにバイオリンを構えると、先程と同様に前奏を奏で始めた。すると、ふわりと楽譜は浮かび上がり。
危険を察知したダークプリンは、すかさずダークピチューを後ろに押し退ける。
「わっ……」
ダークピチューは小さく声を洩らして。
次の瞬間、楽譜から尾を引きながら赤黒い光の玉が幾つも現れて、ダークプリンを襲った。その内の一つが彼女の体の中に吸い込まれ、どくんと大きく心臓が鼓動する。
ダークプリンははっと目を見開いては天を仰ぎ、少しだけ体が宙に浮かんで。
「や……ぁ……っ、嫌……」
顔を引き攣らせるダークプリン。
何かを見せられている。だとすれば悪夢……ダークピチューは直ぐ様、ダークプリンを元に戻そうと腕を掴んだが、それをさせまいと赤黒い光の玉が襲ってきて。
ダークピチューは飛び退き、赤黒い光の玉を躱す。その隙にダークプリンの体にぼうっと赤黒い光が灯り、そして。