第五章



「あっ」

次のページを捲った時、ルーティは小さく声を上げて。――要所要所が破れている。

「大丈夫……大丈夫よ」

自分にもルーティにも言い聞かせるようにリムは呟いて、それから読み上げた。

「対となる楽譜……優しく、麗しい……彼自身を終止符とすることで……」

肝心な所が読めない。

それでも、二つだけ分かった。……一つは、この世界にはダークスコアと対である、もう一枚の楽譜があるということ。

そしてもう一つは、誰かが確かに、ベンゼルの企みを阻止していたということ――


「でも……終止符って」

ルーティはうーん、と首を傾げる。

端から本を覗き見ていたリオンも、離れて机の上に腰を下ろすと、腕を組んで。

「フェルマータ、じゃないか?」
 
 
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