第五章



――というわけで。

「ひぃ、ふぅ、み……僕も入れて五人。えっと……タブー。大丈夫、かな」

エックス邸に残るのは八人。

これだけ多めに残っていれば、ダークシャドウが仕掛けてきたとしてもルーティ達が戻るまでの間、時間稼ぎにはなる。

「へいき」

にこりと笑って、タブーは瞼を閉じた。

翼を取り出すのだろう。その間に、とルーティはウルフの元へ駆け寄って。

「ウルフ」

一緒に行けないのは残念だと思う。

ルーティは何となく顔を俯かせていたが、不意にルーティの頭はぽんと叩かれて。

「狼は縄張りには五月蝿い。絶対、奴らには譲らねえよ。だからお前は、お前にしか出来ないことをやれ」

励みになる、心強い言葉だ。

「……うん!」

ルーティは最後、ウルフの拳と己の拳を軽く叩いて交えると、誓い、タブーの元へ。
 
 
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