第五章
「じゃ、私は残ろうかしら」
「はーい! 僕も残りまーすっ!」
ネロとドンキーのやり取りを横目に微笑を浮かべるシフォンと、自分に任せておけとばかりに元気よく手を挙げるローナ。
「俺も残ろかな。攻撃が遠距離ばっかやったら、敵さんに申し訳ないやん?」
一体何処を心配しているのか。
とはいえ、いつも通りのドンキーの調子には安心する。ルーティは笑みを溢して。
「なら、私は図書館へ行こう」
「“なら”って何やねん」
「何とかといると馬鹿が移るからな」
いつもなら苛立ちを感じさせるであろうユウの台詞も、今だけはこの場を和ませる。
「……覚えとき」
にやりと笑うドンキーに、
「ユウを殴るなら是非私に」
「仕返しにならんやろ!」
――これだよ。この雰囲気。
腕を広げるリオンに突っ込むドンキーを見て、全員は揃って笑い出すのだった。