第五章



――今、真実に最も近い人物はスピカとピチカの二人だ。敵も当然気付いているだろうから、狙ってくる可能性は高い。

つまり調べ事が目的であるリムと一緒に行動するというのは、相性が悪いのだ。

それにルーティとしても、悪夢の恐ろしさを味わった二人にあまり無理をさせたくない。これ以上苦しませたくない……


「俺もいいか?」

意外にも、自分からついてくると言い出したのはネロである。確かに、三兄妹の中では身体能力もずば抜けているのだが。

「何で貴方がついてくるのよ」
「わっ悪いかよ」

何だか言いづらそうに頭の後ろを掻きながらそっぽを向くネロに、ドンキーは何やら察したのかにやにやしながら、

「ネロぉ」

近付いては、ネロの肩を組んで。

「何だよ、気持ちわりぃ……」
「お前も隅に置けんやっちゃなぁ」

――何のことだろう。
 
 
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