第一章
「そうかそうか……君達は影。身勝手な神に造り出された人間兵器。成る程成る程」
唖然とするダークピチューとダークプリンを差し置いて、ダークトゥーンに憑依した何かは口を借りて、ぶつぶつと呟いた。
どうやら、憑依することでダークトゥーンの記憶を弄り、情報を得たようだ。
「これは好都合。故に魂は放たれず、私に忠実な下部となるだろう。……さて」
ダークトゥーンはゆっくりと顔を上げると、二人を視界に捉えた。赤黒い光を灯した瞳に、以前までのあどけなさは無い。
「……逃げなさい」
ダークプリンはダークトゥーンから視線を逸らさないまま、ぽつりと告げた。
躊躇するダークピチュー。しかし、ダークプリンは今一度、語気を強めて言い放つ。
「逃げなさい!」