第五章
「図書館に連れてってくれない、かな」
タブーはじっとルーティを見つめている。
まさか、図書館を知らないとか……確かに、タブーが亜空間から出てきているのを見るのは今回が初めてだけど。
「あー……えっと、調べ事! 本が沢山あって……静かにしなきゃいけなくて」
「いいよ」
ルーティはきょとんとして。
「つれてってあげる。……としょかん」
意外にもあっさり承諾してもらえた。
ルーティ自身は気付いていないが、これはタブーがルーティに敗北して以来妙に執着し、拘っているのが最もな理由である。
「お……オッケーだそうです……」
タブーに抱き付かれてしまいながら、ルーティは振り返る。――自分だけは強制として、リムと、後は誰を連れていこう?
ルーティは真っ先にウルフを見つめる。
まずはパートナーを優先せねば。そう思って名を呼ぼうと口を開いた、その時。
「……だめ」
タブーはぎゅっとルーティを抱き締めて。
「ウルフは……つれていってあげない」