第五章



◆第五章『対抗手段とは』



タブーで街の図書館まで移動、だって?

マスターやクレイジーが空間を移動するところは、見たことがあるような無いようなだけど……タブーはどうだろう。


「つっても本人が許してくれっかよ」

移動手段としては悪くないが、一応は敵なのだから夢見すぎだとファルコは溜め息。

「普通ならな」

フォックスがぽつり。

「ルーティ」
「ちょ、僕が?」

にこにこと笑いながらルーティの背中を押すフォックス。……説得をしろと。

「あのぅ、タブー?」

仕方なく声をかけてみる。

タブーは振り向き、怪訝そうにじっと見つめていて。ルーティは言いづらそうに、

「頼みがあるんだけど……」

タブーは首を傾げる。

「なぁに?」

さっきから皆の視線が痛い。リーダーって、こういうのも仕事の内なのかな……
 
 
1/33ページ
スキ