第四章
リムははっとした。
この曲……知ってる。でも違う。こんな悲しいんじゃなくて、もっと優しい……
どくんっ
「リム!」
頭痛がしてその場に倒れ込んでしまったリムに、ルーティが駆け寄る。ユウはリモコンを拾い上げると、テレビを消して。
「っ……大丈夫よ、ルーティ」
リムは頭を抱えたまま上体を起こすと、ゆっくりと深呼吸をして。――あのまま最後まで聞いていたら身が持たなかった。
でも。……手掛かりは掴んだわ。
「調べたいことがあるの」
リムはルーティの手を借りながら何とか立ち上がると、そう告げて。ルーティとフォックスは思わず顔を見合わせる。
「図書館へ」
「……でも、移動手段は?」
「一歩でも外に出たらアウトなんだぞ?」
ルーティとフォックスが口々に言うと、リムはとある人物へ視線を送って。
閉ざされた窓から曇り空をじっと眺めている少年。ルーティは思わず目を開いた。
「移動手段ってまさか……タブー!?」