第四章



「聞こえますか? この音……」

ふと、アナウンサーの人が耳を澄ますような仕草をした。――まずい!

「聞くな! 耳をっ」
「リモコンだろ、馬鹿!」

騒ぐフォックスとファルコを横目に、ユウはリモコンへ手を伸ばす。しかし、直前にリムがリモコンを手に取って。

「リム、お前も早く耳を――」
「皆は耳を塞いで……私は、ちょっと興味があるの。手掛かりになるかもしれない」

何を言い出すのかと思えば。

スピカとピチカは既に揃って耳を塞ぎ、その場に屈み込んでしまっている。

まともに耳を傾けたら、悪夢を見せられるかもしれないというのに! ルーティは不安に思いながら、自分の耳を塞ぐ。


皆が耳を塞いだのを確認して、リムは少しだけテレビの音量を上げてから耳を澄ました。間もなく、曲が流れてくる……
 
 
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