第四章
「ピチカ……」
心配そうに見つめるリム。
発見当時のピチカの様子を思い出すと、胸が辛くなる。パートナーとして、彼女にはあまり無理をさせたくないところ。
「大丈夫だよ」
ピチカはスピカの胸をそっと押して離れると、微笑を浮かべて。しかし、やはりあまり思い出したくないのか、俯いてしまい。
「いいのよ、ピチカ」
リムはピチカの元へ歩み寄ると、優しく頭を撫でて。小さく頷き、ピチカはスピカの服の裾をきゅっと掴んで擦り寄る。
「全ての原因が“ダークスコア”にあることは分かっているもの。まずはそれをどうにかする……対抗策を」
「つっても、敵が持ってんだろ?」
ファルコが遮ると、リムは頷いて。
――“ダークスコア”に記された通りに奏でることで、ベンゼルは人に悪夢を見せたり、操ることが出来る。
ならばすぐにでも取り上げて破り捨ててしまいたいが、そう簡単にはいかない。
ここで詰んだか……