第四章
――優しいんだな。お前も。
身勝手に見えて、誰も傷付けたくないという想いはある。それでも離れたくないのだと改めてそう思えた。欲張りだろうか……こんなにも沢山の人を守りたいなんて。
それでも、神様。俺は十七年間、そこまで優しい言葉をかけられたことはなかったんです。だから今は、応えてやりたい。
「にぃには一人じゃないんだよ。僕達も一緒に闘う……だから、諦めないで」
ピチカの言葉に、スピカはただ黙って頷いては抱き締めた。――優しくて、大好きな……とても可愛い、俺の大切な妹。
「感動的だな」
傍目から見ていたウルフとしては溜め息が出るほどつまらない展開だったのか、何処か嫌みったらしく呟いて。
相変わらず宜しくない性格をしているな、とルーティは思わず苦笑を浮かべる。