第四章
ルーティの後ろからこっそり覗くピチカの姿を見つけると、スピカは駆け寄って。
「ごめん!」
ルーティは勢いよく頭を下げた。
「僕……スピカの気持ち、何一つ考えてあげられなかった。だからっ……!」
「ルー……」
スピカは静かに首を横に振って。
――仕方ないことなんだ。俺が仲間を想うように、ルーも……だから、どうしても自分の仲間ばかり優先してしまう。
辛いよな。それでも真実だから、言わなきゃいけなかったんだよな……
「にぃに。あのね」
不意にピチカが口を開いた。
悪夢を見せられたピチカの怯え方は異常で、いつまでも泣き止まず、何もしてやれない悔しさにスピカも下唇を噛んだ。
だからこそ、何があっても絶対に部屋を出ずにおとなしくしていろと言ったのに……