第四章
「よく、分からねぇんだよ」
ふざけているわけではない。スピカとしても情報が少なく、上手く情報を提供出来ない悔しさに拳を握り、震わせている。
「……いつもと何ら変わりのなかった日常を引き裂くように、悲鳴が響いたんだ」
静かになった廊下に、スピカの声が響く。
「不思議な音色が聞こえてきて、仲間だったはずなのに攻撃まで……それでも、それまで生き残っていたルイージとリンクと一緒に戦おうと思った、それなのに」
そこまで告げて、スピカは何も言わなくなってしまった。恐らく、スピカを守る為にもダークシャドウが気絶させたのだろう。
だとすれば、彼はどれだけ想われているのか……本当に、家族も同然なんだ。
「スピカ」
その時、ふらりとルーティが現れた。スピカは振り向くと、はっと目を見開いて。
「ルー……ピチカ……!」