第四章
「っ……、俺は……!」
次第に瞳は潤み、糸が切れたようにスピカはユウの胸に飛び込む。ユウは短く息を吐き出し、それでも受け止めていて。
「紛らわしいことしか言わないんだから」
遅れてやって来たリムが、ユウとスピカを見つめてほっと一息。しかし本当に、最悪の事態を招かなくてよかった。
「悪かったな」
先程打たれたことを根に持っているのか、ユウはふいと目を逸らしてしまい。
「……それで」
ユウはスピカを見つめると、
「何を、何処まで知っているんだ」
スピカはようやく顔を上げると、ごしごしと目を擦って離れ、背を向けた。
――ユウとリオンの証言から推測するに、ダークシャドウは何者かによって操られている。その上X部隊メンバーの体にまで憑依し、此方は身動きが取れない状態だ。
今、その何者か基犯人に一番近付き、知っているのはスピカか、ピチカしかいない。
後は……本人の意思だけだ。