第四章



「ダークシャドウのリーダーが、聞いて呆れる」

ぽつりとユウが口を開くと、スピカはうっすらと目を開き、恐る恐る顔を上げて。

「お前は奴らを信じてやろうとは思えなかったのか。……元に戻れるか否かを」
「それはっ」

スピカは口を開いたものの、言い返せなかった。ユウの言う通り、スピカはダークシャドウは元に戻らないものだと勝手に決め付け、諦めてしまっていたのだ。

「仲間なら信じろ。自分がリーダーであるなら意志を強く持て。お前がそうしない限り、誰かがまた大切なものを失う」

ユウはひと呼吸置いて。

「それが分からないのか」


――失いたくはなかった。


スピカが後悔したように、ユウも同じことを思ったのだ。ダークシャドウがああなった以上、成す術など限られている。

それでも、諦めたくはなかった。

だからこそスピカの意志を試すべく、あんな言動を見せたのだ。――強く想い、立ち向かえる意志があるかどうかを。
 
 
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