第四章
畜生!
「――その征伐」
破片がバリアに触れる直前で。
「少し……見送ってもらおう」
ぴたり、と静止した。
現れたのはユウである。ファルコとウルフの真ん中までゆっくりと歩いていき、立ち止まると、静かに片腕を横に伸ばして。
「……てめえ」
「退け」
「何のつもりだ。元々はてめえが」
ファルコが怒りに任せて踏み出そうとしたその時、ユウはファルコを尻目に、
「退け」
静かに、一言。
その冷えきった瞳に捉えられて、ファルコは小さく舌打ちをしてはバリアを解除させる。その様子を見ていたウルフも、短く息を吐き出してはバリアを解除させる。
「っ、……」
ユウが踏み出すと、スピカは鋭く睨み付けたまま、ゆっくりと後退して。