第四章



「っ、ち」

――譲ってたまるものか。

行く手を阻もうと足元に撃ち込まれる銃弾に、スピカは小さく舌打ちをして。

振り向いては指を鳴らし、廊下を照らす照明へ黒い稲妻を飛ばす。パリンッ、という音と共に照明は砕け、破片が散らばる。

「っ……絶対」

感情が高ぶっている。証拠に、スピカの体を絶え間無く黒い稲妻が走っている。

スピカはぱんっと両手の平を合わせると、

「あいつらを、殺させはしない!」

声を上げて。

――すると、床に散らばった破片がふわりと浮かび上がり、狙いを定めるようにファルコとウルフの方を向いて。

音からして、恐らくは静電気。しかし、そんなものを飛ばしたところで二人にはリフレクターがある。二人は覚悟し、構えた。
 
 
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